
集客の方法の1つとして有効なアプリ。若い世代はもちろん、スマートフォンの普及率はとても高いです。それに伴い、企業は自社アプリを持つことが当たり前になってきています。今回は、アプリ開発にかかる費用やアプリ開発時のポイント、依頼する会社の選び方についてご説明いたします。
1.アプリ開発を依頼する相手とは?
アプリ開発のできるエンジニアが社内にいない場合、どのようにしてアプリの開発を行えば良いのでしょうか。ご紹介する方法は3つあります。
- エンジニアを雇用して開発する
- アプリ開発会社にお願いする
- フリーのエンジニアに依頼する
エンジニアを雇用して開発するのは、大企業でない限りハードルが高いと言えます。今回はエンジニア雇用する、以外の2つの方法について詳しく紹介していきます。
1-1アプリ専門の開発会社
大手のアプリ開発会社であれば、スキルが高く、実績もあることが多いです。開発コストは高いですが、遅延するリスクも少ないでしょう。また、アプリのクオリティも高く仕上がるというメリットもあります。
中小規模のアプリ開発会社のクオリティは様々です。大手アプリ開発会社と同等のスキルを持ったエンジニアのいる企業、専門分野に特化した企業、大手に匹敵するスキルを持っている会社があります。しかし、資金や人手や環境設備など、大手よりも下回ることが多いため、開発スピードが落ちることが懸念されます。メリットとしては大手に比べ、コストを安く抑えられます。
1-2フリーランス
アプリ開発にはエンジニアのスキルがとても重要になってきます。エンジニアによってアプリのクオリティなどは左右されます。技術を持ち合わせている優秀なエンジニアを見つけることができれば、フリーランスのエンジニアに依頼するのも1つの方法です。指示出しや進捗管理がしっかりできれば、アプリ開発会社に依頼するより、コストを圧倒的に安く済ませることができます。
しかしながら、アプリの開発自体に失敗したり、アプリのリリースが遅れたりする可能性があるデメリットがあります。また、いつも依頼しているエンジニアなど信頼できるフリーランスがいないのであれば、エンジニアを探す作業に手間がかかってしまいます。
2アプリ開発を依頼する際にかかる期間と費用の目安
アプリ開発を依頼した際にかかる期間と費用の目安です。アプリに搭載する機能や開発に携わる人の人数によっても、期間と価格は変わってきます。また、期間はアプリの型によって変わると言われています。アプリを一から作るフルスクラッチ型であれば6ヶ月以上、既にあるものを組み合わせて作るクラウド型であれば3ヶ月ほどが期間の目安になっています。
種類 | 費用 | 作業時間 |
レストランアプリ | 約200~1700万円 | 900時間 |
eコマース | 約300~2800万円 | 1600時間 |
タクシーアプリ | 約300~500万円 | 1600時間 |
デリバリーアプリ | 約200~1700万円 | 900時間 |
マッチングアプリ | 約300~4000万円 | 1400時間 |
動画視聴アプリ | 約300~3500万円 | 1600時間 |
学習アプリ | 約200~2500万円 | 900時間 |
アプリ開発にかかる費用の内訳は以下の5つです。
- アプリの開発期間・作業時間
- エンジニアにかかる人件費
- デザインとサーバーサイドにかかる費用
- アプリ公開後の運用保守にかかる費用
- OSのアップデートにかかる費用
3アプリ開発会社に依頼する前に企画書を作ろう
アプリを開発するにあたって1番大切なのが、企画書の作成です。企画書は、イメージ通りのアプリを作る際に欠かせないものとなっています。この部分がきちんとできていないと、イメージと違うものが納品されてしまうケースもあります。また、企画書の内容は詳しく書くことでより正確な見積もりを出すことができます。アプリの企画書には最低限以下の内容を入れると良いと言われています。
アプリの企画書に必要な情報
- アプリを作る目的
- ターゲットを決める
- ユーザーゴールを決める
- アプリの機能を決める
- 対応端末を決める
- 納期・予算を決める
3-1アプリを作る目的
まず、アプリを作る目的を考えます。例えば、集客のため・新規客を開拓したいなど、どうして?何のために?アプリを作るのかを明確にします。
3-2ターゲットを決める
アプリを利用するターゲットを決めることはとても大事です。ターゲットによって、アプリに取り入れる機能やデザインが大きく変わってくるからです。例えば、ターゲットが男性なのか、女性なのかでデザインは大きく変わります。また、幅広い層に利用してもらいたい場合でもターゲットを決めます。ターゲットがは広ければ広いほど、アプローチは難しいので、誰の心にも止まらないという状態になってしまいます。なので、ターゲットを決めて、アプローチすることが重要となります。
3-3ユーザーゴールを決める
ターゲットが決まったら、ユーザーゴールを決めます。ユーザーゴールとは、アプリを通してターゲットにどんな価値を提供できるかです。例えば学習アプリの場合、「大学受験に役立つ勉強ができる」などです。
3-4アプリの機能を決める
作成するアプリにどのような機能を搭載するのかを決めます。必要だと思う機能をリストアップし、ターゲットやユーザーゴール・コンセプトなどと比較し、本当に必要なのか、他の機能はいらないかなどを考えて機能を厳選します。
3-5対応端末を決める
AndroidかOSかによって、アプリは異なります。どちらかのみ対応なのか、どちらも対応できるのかを考えます。また、スマホなのか、タブレット向けなのかでもデザインの仕様や見え方が変わってくるので、どの端末を使うかも想定しておきましょう。
3-6納期・予算を決める
納期や予算も見積もりを正確に出すのには必要な情報です。機能が多ければ多いほど、納期が早ければ早いほど、それだけ人員も必要になってくるので、費用は高くなります。
4アプリ作成を依頼する企業の選定方法とは
アプリ開発を行っている企業はたくさんあります。自社から近く行けるところを選ぶ方も多いですが、最近ではオンラインも主流になってきているので全国から選ぶ事が可能です。またアプリ作成を依頼する企業を選ぶ際に以下の3つを確認する必要があると言われています。
4-1どこまでの範囲で依頼できるか
一言でアプリ開発と言っても、企画・設計・デザイン・サーバー構築・プログラミング・アプリストアの登録など、複数の過程を経てアプリが完成します。そのため、どこまでの範囲を依頼できるのかを確認する必要があります。例えばアプリストアの登録などはアプリ開発会社によっては対応しない場合もあります。なので、どこまで対応可能なのかを確認しなければなりません。
4-2開発実績
アプリ開発を専門的な会社に依頼するときに1番重要なことが実績の確認です。新しい会社でないのに実績が少ないと、なにかしらの問題があるのか、あまり人気がないという可能性があります。技術や価格、制作スピードなど、選ぶ際に確認しなければならないところはたくさんあります。自社のイメージ通りのアプリを開発するためにも、開発実績は重要です。
4-3サポート体制
アプリは開発して終わりではなく、その後も保守運用を行う必要があります。アプリ開発会社によっては、その後もきちんとサポートしてくれる企業もありますが、サポートを対応していない企業もあるので、どこまでサポートしてくれるのかをきちんと確認した方が良いでしょう。
5候補に挙がったアプリ開発会社に見積もりを取る
候補の会社をいくつか選ぶ事ができたら、開発会社に見積もり作成を依頼します。企業は、作成した企画書を元に費用の見積もりを提出します。3社ほど見積もりを請求し比較し、決めると良いでしょう。価格だけでなく実績や担当者の対応なども含めて、総合的に判断して決めてください。
6外注先の企業を決めてからの流れ
ここからはアプリ開発を依頼する企業を決めてからの流れを説明したいと思います。
注文書の提出
見積書を参考にして外注先の会社を決めたら、注文書を作ります。この注文書はアプリ開発会社が提示した見積書に対する発注として提出する物で、発注書とも言います。注文書にはアプリ開発会社にどのような商品やサービスをいつまでに、どのように提供してほしいかを明確に書きます。
基本契約とNDAの締結
開発会社に注文書を出して発注が確定したら、依頼するために基本契約を交わします。基本契約書はアプリ開発会社と継続的に取引を行われる際に、共通する基本的な事項を定めるためのものです。基本契約とほぼ同時に秘密保持契約書であるNDAも締結するのが普通です。
個別契約を結ぶ
基本契約が終わったら、アプリ開発会社と個別契約を結びます。基本契約はアプリの開発におけるすべての取引で共通する基本的なことを決めるためのものです。個別契約書では、どの作業は誰が行い、誰に責任があるのかを記したもので、最終的にかかる費用が書かれています。この契約をかわして、ようやくアプリの開発が始まります。
外部設計
契約を交わしたら、本格的にアプリ開発が始まります。外部設計は基本設計とも言われていて、アプリ全体のデザインやアプリの操作や動きといった要素を決めていく作業のことを言います。開発会社に外部設計も行ってもらえますが、イメージ通りのアプリを作るためには、あらかじめ自社でも大まかな外部設計を行っておくと良いでしょう。
内部設計
内部設計は外部設計で決めた内容を実現するために、プログラミングの処理方法など目には見えないアプリの内部の仕組みを決めていく作業のことを言います。外部設計は自社でも行いますが、内部設計は専門的な知識が必要なので、開発会社に任せます。
検収・納品
内部設計が終わったら検収です。納品されたアプリをチェックすることを検収と言います。できたアプリに問題がないかを確認し、受け取るのが納品です。
リリース
検収・納品が終えたらリリースです。App StoreやGoogle playストアに申請し、審査が通過となればアプリがリリースされます。
まとめ~アプリ開発依頼のポイント~
最後にアプリ開発依頼のポイントのおさらいです。
- 実績の確認
- 予算の確認
- 開発後のサポートの確認
このポイントを参考にアプリ開発を依頼してみてください。