サーバー監視とは?目的・種類・監視ツールの選び方

サーバー監視とは?目的・種類・監視ツールの選び方

インターネットやメール、普段何気なく使っているサービスですが、これらのサービスを利用するのに私たちはサーバーを利用しています。私たちが見たいサイトがいつでも閲覧できたり、友達にメールを送ったりできるのは、このサーバーが安定的に稼働しているからです。安定的にサーバーを提供するために欠かせないのがサーバーの監視です。サーバーの監視といっても、サーバーの運用との違いや似ているものもあり、混同している方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はサーバー監視とは何か、サーバー監視の種類や何のためにサーバーを監視するのかを説明いたします。

1、サーバー監視とは?

サーバー監視とは、サーバーが正しく動いているかを確認する作業のことを言います。人の目で監視するのではなく、ツールやシステムを使って監視することが一般的です。システム障害やシステムダウンが発生しないよう、または発生しても被害や損害を最小限に抑えるためにもこのサーバーの監視が重要になってきます。

1-1、サーバー監視とサーバー運用管理の違い

サーバー監視と似ているものでサーバー運用管理という言葉がありますが、サーバー運用管理はサーバー監視よりも広い概念を意味しています。サーバー運用管理ではサーバー全体のシステムや動きを把握し、システム障害が起こったときに自動復旧やリモートで復旧させるためのシステム構築などのサーバーが継続して安定的に稼働できるためのあらゆる業務のことを言います。

サーバー監視の意味の範囲はもっと狭く、ただ見るだけで復旧などの作業はサーバー監視には含まれていません。これが、サーバー監視とサーバー運用管理の大きな違いです。

1-2、サーバー監視とネットワーク監視の違い

サーバーとはソフトウェアがインストールされたコンピュータのことをいいます。ネットワークはサーバーにアクセスするための経路のことを言います。ネットワークは通信そのものをいい、このネットワークを通してサーバーにアクセスします。サーバーを目的地とすると、そこにたどり着くための経路がネットワークとなります。このようにサーバーとネットワークには違いがあります。

また、ネットワークの監視はサーバー監視の種類の1つでもありますが、主に社内のネットワークにトラブルが発生しないかを監視します。サーバーはサーバーが正常に稼働しているかを監視するので、ここにも明確な違いがあります。

2、サーバー監視の目的とは?

サーバー監視はどうして必要になってくるのでしょうか。サーバーを監視しないで、サーバーが停止してしまうと、業務が停止し、顧客に安定したサービスを提供できなくなってしまいます。それゆえ、顧客や取引先の会社からの信頼を損なう可能性もあります。例えばECサイトを運営していてサーバーが停止したら、停止している間は売り上げが発生せず、利益を損なうことになります。常にどんな環境でも動き続けるサーバーはないので、停止してしまった際に、迅速に対応するために監視が必要になります。

サーバー監視の目的は以下の3つです。1つずつ説明していきます。

サーバー監視の目的3つ

  • サーバーの稼働確認
  • 障害への迅速な対応と原因究明
  • 安定性の確保/ネットワークパフォーマンスの最適化      

2-1、サーバーの稼働確認

Webを閲覧するのにもメールを送るのにもサーバーを使用しています。これらのサーバーがきちんと稼働しているのかを確認するのが、サーバーの稼働確認です。24時間監視することで、サーバーが停止する時間を最低限に抑えることができます。

2-2障害への迅速な対応と原因解明

サーバー障害が発生したときに、サーバーを早く復旧させるためには障害発生をいち早く知り、原因を速やかに解明する必要があります。サーバーを監視していれば、システム障害が発生しても早く気づいて対応することができます。また、原因はサーバー監視ツールのログを確認すると、原因解明の役に立ちます。

2-3安定性の確保/ネットワークパフォーマンスの最適化     

ネットワークパフォーマンスの安定化もサーバーを監視する目的の1つです。CPUなどのリソースの使用率を監視すれば、サーバーの負荷情報が取得でき、その負荷情報に基づいて最適なシステム構成を計画すればパフォーマンスを向上させることができるでしょう。

サーバーは1台のみで稼働することはありません。ほとんどの場合は複数のサーバーで運用しています。1台しかなければサーバーが停止したときに困ります。複数台で運営している場合は影響は出ますが、困ることはなくなります。サーバーを監視し、障害が起こる前に、起こったことを想定し、対応することが重要になります。

3サーバー監視の種類とは

サーバーの監視には大きく分けて、「正常監視」と「異常監視」の2つです。1つずつ詳しく説明します。

3-1正常監視

正常管理はサーバーが正しく動いていることを、サーバーの管理者に知らせます。監視画面に正常であるとステータスが表示される、あるいは管理者に定期的に通知する手法の場合もあります。

3-2異常監視                        

異常監視はサーバーにトラブルが発生したことを管理者に知らせます。このトラブルには幅広く、サーバーの稼働に影響がある段階から、全く稼働できない状態まで含まれます。管理者に知らせる方法はメールや音声、ランプ点灯などの方法で行われます。

4サーバー監視ツールの機能8つ

サーバー監視ツールにはどのような機能が備わっているのでしょうか。多くのサーバー監視ツールにも備わっている基本的な機能を8つ紹介いたします。

サーバー監視ツールの機能8つ

  • 死活監視
  • トラフィック監視
  • ネットワーク監視
  • ハードウェア監視
  • ログ監視
  • アプリケーション監視
  • パフォーマンス監視
  • スクリプト監視          

4-1死活監視

サーバーが停止せず、正しく稼働しているかを監視する機能のことを言います。死活監視ではサーバーの外部から一定時間おきにPINGを送信して、正常な応答が返ってくるか確認する方法が一般的です。サーバー監視ツールによっては、監視用のアプリケーションを監視対象サーバーにインストールする場合もあります。その場合は、監視用アプリケーションから正常な応答があるのかを監視します。

4-2トラフィック監視

トラフィック監視とはネットワーク上のデータ量を監視することを言います。トラフィックはデータ量のことです。このトラフィックが増加傾向のとき、ネットワークを分割したり、機器を増やしたりすることによって、データ量を調節して負荷を分散させます。不適切なデータを防ぐなどの対策を行うと、システム障害を事前に防ぐことが可能です。

4-3ネットワーク監視

ネットワークの監視とは何らかの理由によって、ネットワークに異常な遅延や接続障害が発生したときや障害が起こりそうな兆しを可能な限り早く見つけるために行う監視のことを言います。一時的にアクセスが集中し、サーバーが情報を処理できなくなることやネットワーク機械の不調、LANケーブルの断線などもネットワーク監視に含まれます。死活監視と同じで、PINGの監視を外部から行ったり、ページにアクセスしたときに、正しくそのページが見られるかを監視したりします。

4-4ハードウェア監視

ハードウェアの監視はサーバーに関する機器全般です。機器の温度や電圧の変化、機械の動作を監視し、異常がないか確認します。例えば搭載しているCPUやメモリ、ハードディスクなどの部品が故障していないか、機器内の温度が高温になっていないかを監視します。異常が見つかるとすぐに管理者に通知が届くので、早期のシステム復旧が可能になります。

ハードウェアの監視をしていれば、電圧異常や機器の故障によるオーバーヒートというハードウェアが原因のシステム障害を防ぐことができます、ハードウェアの異常はデータ破損につながることもあるので、とても重要な監視機能となっています。

4-5ログ監視

ログとはサーバーで行った処理やイベントなどを時系列に記録したデータのことを言います。システム障害が発生したときは、ログを分析することが早期の原因解明につながります。

ログ監視はソフトウェアを使うことで、ログを随時解析し、異常なログや通常では見られないパターンのログが記録されていないかも分析し、もしもそのようなログが記録されていたら、管理者に知らせます。

4-6アプリケーション監視

アプリケーション監視はサーバー上で動いているアプリケーションを監視する機能です。アプリケーションの稼働状況や障害発生、性能を常に監視します。アプリケーションの稼働要件と異なる事象が起きると、監視画面やメールで知らせてくれ、迅速に対応することが可能です。Webアプリケーションの場合は、定期的にそのWebアプリケーションにアクセスして、正常な応答があるかどうかを監視します。

4-7パフォーマンス監視

パフォーマンス監視はサーバーのCPUやメモリ、ディスクの使用率やネットワークの使用料などのリソース全般を監視します。サーバーの負荷状況を確認し、正常なパフォーマンスを発揮できる限界値を超えないかを確認します。

サーバーに過剰な負荷がかかると、処理が遅くなります。さらに負荷がかかっている状態が続けば、最悪の場合、サーバーダウンを引き起こす可能性もあります。パフォーマンス監視をしていれば、数値の上昇をすぐに検知し、障害が起こる前から対応することができます。

4-8スクリプト監視    

スクリプト監視ではシステム障害の監視にプラスして、スクリプト実行の安定性や実行までの応答・対応時間なども確認します。ここでのスクリプトは、ソースコードをすぐに実行できるプログラムのことを言います。

スクリプト監視をしていると、一定のデータを処理するパッチ処理の異常などにも素早く対応することができます。パッチ処理は、ルーティンワークのようなもので、そのため、たとえ異常があったとしても、同じ動作をし続けてしまいます。ですから、スクリプト監視をすることによって、異常を早く見つけることができれば、システム障害が発生し、被害などが大きくなる前に処理・対応することができるわけです。

5サーバー監視ツールの選び方6つのポイント

サーバーの監視ツールはたくさんあります。また、サーバーの種類によってもツールは変わってきますし、監視ツールによって得意な分野などもあります。では、監視ツールを導入するとき、どのように選べばいいのでしょうか。ここからはサーバー監視ツールの選び方のポイントについて紹介いたします。見るべきポイントは6つです。

サーバー監視ツールを選ぶ時のポイント6つ

  • 導入形態
  • エージェントの有無
  • 費用
  • 操作性
  • 監視項目
  • 外部連携

5-1導入形態

まず、サーバーの導入形態を考えます。サーバー監視ツールの種類は「OSS(オープンソース・ソフトウェア)」と「商用の有料サービス」の2つに分かれます。OSSとソフトウェアのプログラミングのテキストファイルであるソースコード公開していて、誰でも利用や開発を行うことができます。制限がなく、自社のシステムに合わせて自由にカスタマイズができるメリットがOSSにはあります。しかし、開発・導入するためには、専門知識があるIT専門スタッフが必要となり、セキュリティ対策として大事な脆弱性のパッチ組み込みなども自社ですべて行わなければならないというデメリットがあります。高いスキルと知識を持った人が自社にいなければ、導入するのが難しくなります。

商用の有料サービスはコストがかかるデメリットはありますが、自社に専門スタッフがいなくても導入できるメリットがあります。この商用の有料サービスの中でもツールの販売のみの会社もあれば、アウトソーシングに対応している会社もあるので、自社に合う導入形態を選びます。

5-2エージェントの有無

エージェントの有無も重要です。ここでのエージェントは監視対象の機器にインストールするソフトウェアのことを言います。複数の機器を利用するエージェント型のツールの場合は、すべての監視機器にソフトウェアをインストールする必要があるので、費用は高くなります。しかし、複数の機器で監視するので、細かな監視ができ、サーバーの詳しい情報を集めることができます。

インターネットを利用するエージェントレス型は監視機器にソフトウェアをインストールする必要がなく、コストを抑えられて、簡単に導入できる点がメリットですが、デメリットには監視範囲が限定的になるという点があります。エージェントの有無も自社の状況に合わせて選びます。

5-3費用

サーバー監視ツールを導入するときは価格も確認しましょう。無料のOSSであれば、導入にあたって、費用はかかりせんが、開発にかかる人件費などはかかります。有料のサービスと比較し、最終的にどちらが安くなるか計算して選びましょう。

有料ツールの利用を考えているのであれば、サービスごと価格を比べると良いです。同じサービスでも会社によって価格は違うので、複数社に見積もりを依頼するのがおすすめです。

単純に費用だけで決めることはお勧めしません。費用が安い分、クオリティが低い、サービス内容が良くないなど、安さには理由があります。安いからという理由だけで決めるのではなく、コストパフォ―マンスを考えて選ぶと良いでしょう。

5-4操作性

サーバー監視ツールが集めたデータをどのような設定や操作でグラフにできるのか、レポートにできるかなどの操作性にも注目すると方が良いでしょう。時間での分析がグラフとして出力されれば、システム障害が発生したときに、どこに異常があるのかがわかりやすくなります。反対に、数値が並んでいるだけのデータだけでは、どこに異常があるのかがすぐに判別することができません。また、機能が多ければいいというわけではなく、機能が多ければ多いほど、操作性は複雑になることが多いです。ですので、機能が多いものを選ぶのではなく、必要な機能があり、その操作性が簡単なものを選ぶなどのように、機能と操作性のバランスを見て判断する必要があります。

5-5監視項目

サーバー監視ツールを選ぶ時には監視項目も重要になってきます。パフォーマンス監視やアプリケーション監視など、ツールによって対応している監視項目に違いがあります。サーバー監視ツールには、特定の機能に特化した製品もあります。ツールを選ぶときには、自社が監視したい項目に対応しているのかを必ず確認する必要があります。

5-6外部連携   

外部プログラムやサービスとの連携ができるのかもツールを選ぶ上で、ポイントになってきます。LINEなどのメッセージアプリへの通知、ビジネスチャットへのレポート送信など、外部プログラムと連携させることで運用を効率化することができます。

6サーバー監視をアウトソースする必要性

サーバーを24時間体制で運用している企業も多いです。しかし、24時間サーバーエンジニアを雇用しなければならないかというと、そうではなく、夜間業務はオペレーターなどに任せられる業務もあります。

万が一を考えて、24時間体制でサーバーエンジニアが常にいる企業もあります。24時間と対応となると3交代で、急な病欠などを考えると、5~6人はエンジニアが必要になってきます。エンジニアは通常の一般的な社員と比べて、給料は高いです。平均月収は月40万と、毎月の人件費だけで250~300万近くかかることになります。

人件費だけでも大きな負担となるので、24時間365日エンジニアを稼働させるのは非現実的です。よって、解決策の1つとしてサーバー監視を外部に委託するアウトソースが必要だと言われています。サーバー監視のアウトソーシング専門の企業は、システム障害時の対応など専門的な知識と経験があるので、サーバーの監視を外部に委託すると、障害のリスクを大幅に軽減することができます。

7サーバー監視の注意点

サーバー監視の注意点は、監視対象のサーバーをはっきりしなければなりません。サーバー監視は専門的な知識や技術が必要となるため、コストは決して安くはありません。すべてを監視するのではなく、監視するべき項目をリストアップし、その中でも大事なものを選んで優先をつけて監視を行うことをお勧めします。管理しているすべてのサーバー監視ツールを導入すると、必要以上のコストがかかります。また、コストを抑えすぎると、機能や技術が十分でない監視サービスになる可能性があります。自社内の従業員だけで監視を行うのであれば柔軟に対応できますが、外部に委託するときは特に注意が必要になってきます。

8まとめ

サーバーの監視とはなにか、サーバー監視の種類、機能、注意点などについてお伝えしてきました。サーバーの監視はサーバーを運営するにあたって、必要不可欠なものになっています。自社の状況に合わせて、自社内だけで行うのか、外部に委託するのかを検討してみて下さい。

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